4月26日、第10番・切幡寺から車で約30分。第11番札所・藤井寺は、山門を入るとすぐ右手に大きな藤棚が広がっている。名前の通り、藤の花が本当に美しかった。
藤の花と寺名の由来
弘仁6年(815年)、この地を訪れた弘法大師が自らの厄除けと人々の安寧を願って薬師如来像を彫り、堂を建てたと伝わる。このとき堂の前に藤を植えたことから「藤井寺」の名がついた。四国八十八ヶ所の中で「寺」を「てら」と読むのはこの藤井寺だけだという。山門を入ってすぐ右側にある藤棚は、弘法大師自らが手植えしたと伝えられている。

境内の見どころ
本堂には国指定重要文化財の薬師如来像(秘仏)が祀られ、天井には地元出身の画家・林雲渓による雲龍の天井画が描かれている。塔をお参りしたら、上を見上げてみたい。本堂の奥には奥之院への道が続き、八畳岩や大日如来のほこらなど見どころも多い。

藤棚の奥には大師堂があり、参拝時にはちょうど白装束のお遍路さんが手を合わせている姿を見かけた。石段を上りながら、今も多くの人が歩いてこの地を巡っているのだと実感した。

12番・焼山寺へ — 「へんろころがし」の始まり
藤井寺から焼山寺までの歩き遍路道は「へんろころがし」と呼ばれる、四国霊場でも指折りの難所だ。境内には「四国へんろみち」と書かれた看板があり、「この11番札所・藤井寺から12番札所・焼山寺にかけてのへんろみちは「へんろころがし」といわれる難所。路傍には江戸時代末期から明治時代にかけて作られた道標や石碑が沢山残されており、このことは、その頃から盛んに霊場巡りが行なわれていたことを物語っています」と説明されている。歩きだと約12.3kmの山道で、早朝出発と装備が必須とされる難所だ。車の場合は道が険しいため、県道を使った迂回ルートで向かうことになる。
藤井寺の境内の奥には、実際にその山道へと続く入り口があり、「焼山寺」と書かれた道標が立っていた。ちょうどそこで、トレイルランニングのような軽装の参拝者が山道を走って戻ってくるのとすれ違った。「私たちには絶対に無理だね」と母と笑い合ったが、車で迂回して向かった焼山寺も、これまでの札所の中でいちばん過酷な道のりだった。詳しくは次の記事で書きたい。

🚗 車遍路メモと基本情報
駐車場や前後の札所への距離は次の表のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 駐車場 | 寺門近くに管理の方が立っており、駐車料金を徴収された(有料)。本堂まで徒歩約2分。 |
| 前の札所 | 10番 切幡寺(約11km・車で約26〜30分) |
| 次の札所 | 12番 焼山寺(迂回ルートで約35.5km・車で約59分) |
| 境内の様子 | 山門側に大きな藤棚。本堂奥には焼山寺への歩き遍路道の入り口がある |
| 納経所 | 特に変わった様子はなく、待ち時間は1組程度だった。 |
| 道路情報 | 本堂手前700mあたりから道が狭くなる。大型観光バスとのすれ違いに注意 |
住所やご本尊などの基本情報は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 金剛山 一乗院 藤井寺(ふじいでら) |
| 宗派 | 臨済宗妙心寺派 |
| ご本尊 | 薬師如来 |
| 開基 | 弘法大師 |
| 住所 | 徳島県吉野川市鴨島町飯尾 |
| 電話 | 0883-24-2384 |
| アクセス | 徳島自動車道 土成ICから国道経由で約8km・車で約20分 |


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